投稿日: Dec 12, 2011 12:44:14 PM
酸化銅の還元はいつも炭素を利用して行っていた。炭素の他に生徒実験としてやれそうな物はないかと思い,まずは教科書に載っているものを予備実験として行ってみた。
(1)砂糖で還元。螺旋状の銅線を加熱し、砂糖の中に入れる。教科書の写真通り概ね還元できた。ただ、銅線のまわりに砂糖がアメ状にまとわりつくので、再加熱で燃やしてあげる必要がある。
(2)メタノールで還元。液体なので問題なし。きちんと還元された。後始末もいらないだろう。
(3)水素で還元。事故にならないように、水上置換で試験管に集めてスタンドに固定。安全メガネをはめて酸化銅をガスバーナーで加熱。ドキドキしながら水素の入った試験管に入れる。
「ボッ。」というおだやかな音が試験管の口のあたりで鳴って後は問題なし。奥の方に酸化銅を差し込むと綺麗な銅の輝きが。空気中に取り出すと再び酸化銅の鈍い色に変化。また差し込むと綺麗な銅の輝きに。意外と問題なくできた。水素を試験管いっぱいにためていたのと小さ目の試験管でやったのが良かったのだろう。
これらは教科書に載っているだけあって生徒実験でもできそうだ。安全指導をきちんとやれば問題ないだろう。特に水素を扱う場合は気をつけなければならない。
また,書画カメラ,プロジェクタを通しても色の変化は確認できたので,演示実験として教師がやってみせるのもいいだろう。
今回は教科書ベースで予備実験を行ったので,次は身近な物で還元に使えるものはないか探っていこうと考えている。